2011-12-11

「アナザー文学の現在――俳句を読まなきゃ文学は語れない」紀伊國屋書店新宿本店5階人文書売場

『俳コレ』連動かもしれない
アナザー文学の現在──俳句を読まなきゃ文学は語れない



場所:紀伊國屋書店新宿本店5階人文書売場
期間:2011年12月2日(金)~2012年1月上旬



こうして、〈俳句〉のおかげで人類は救われた。
――J・L・ボルヘス『アトラス 迷宮のボルヘス』

〈アナザー文学〉――このフェアでは「俳句」という文学を、そう呼んでみることにしました。
それは、小説などと比べて俳句が、文学や芸術、単純に読みものとして劣っているからという意味では、もちろんありません。
世の中では、商品のパッケージや、読者投稿コーナーなどで、「俳句」と呼ばれるものをたくさん目にすることができます。しかし、実際に一冊の紙の書物(句集や雑誌)として存在する「俳句」の読者自体はおそらく、ひじょうに少ないのではないかと思います。
しかし当然のことながら、ほかの文学や芸術と同じように俳句も、日々新しい作家が登場し、そのシーンは移り変わっていっています。
このフェアは、二部構成です。
第一部は、これから俳句を読んでみようと思う方のためのいわば、「読書案内」です。今回は特に、ここ数年で登場しはじめた新しい作家の俳句を読むことができる本を選びました。
第二部は、そもそもなぜこのようなフェアを行うのか、すなわちなぜいま俳句なのか、ということを考えるための本を選びました。俳句の本は、ほとんど ありません。おそらく俳句は、"もうひとつの文学"と呼びたくなるようななにか不思議な魅力と、ほかにはどこにもない特徴とを持っている、そのことを探る 手がかりになりそうな本たちです。
ふだん俳句にはまったく興味がなかった方々、ふだんから俳句に触れている方々、文学が好きだけれど俳句には触手が伸びてこなかった方々、みなさんに、少しでもたのしんでいただければ幸いです。

photo by 佐藤文香








※週刊俳句編による新アンソロジー『俳コレ』刊行とほぼ同時の、ありがたいこの企画。

「アナザー文学」という耳慣れない言葉は、林雅樹さんが「澤」誌において使われたフレーズで、『俳コレ』掲載の林雅樹小論に引用されています。

写真でご覧の通り、フェアの書目一冊一冊、ご担当の梅崎さんの手書きコメント付き(クリックすると読めてしまうものも)。

惜しくも、撮影時に『俳コレ』間に合っていませんが、今週末はもう、並んでいるはず。

ぜひ、紀伊國屋書店新宿本店5階に、お立ち寄り下さい。 (週刊俳句 上田信治)



  
  『俳コレ』
  『新撰21』
  『超新撰21』
  『俳句のはじまる場所』小澤實 
  『詩という仕事について』ボルヘス 
  『七つの夜』ボルヘス 
  『アトラス』ボルヘス
  『永遠の歴史』ボルヘス 
  『カルヴィーノ アメリカ講義――新たな千年紀のための六つのメモ』カルヴィーノ 
  『あたりまえのこと』倉橋由美子 
  『表徴の帝国』バルト 
  『明るい部屋』バルト 
  『カメラ・オブスクーラ』ナボコフ
  『モンキービジネス 2009 Spring vol.5 対話号』
  『モンキービジネス 2010Fallvol.11 幽霊、影、分身号』
  『黒猫・モルグ街の殺人事件 他5編 』ポオ
  『意味という病』柄谷行人
  『マイクロポップの時代:夏への扉』
  『フラジャイル』松岡正剛
  『中二階』ニコルソン・ベイカー
  『銀の匙』中勘助
  『ムッシュー・テスト』ポール・ヴァレリー
  『考現学入門』今和次郎
  『路上観察学入門』赤瀬川原平
  『紙片と眼差のあいだに』宮川淳
  『文体練習』クノー
  『再会と別離』四方田犬彦・石井睦美
  『ニッポンの書評』豊﨑由美
  『日本のコピーベスト500』
  『山本容子版画集 静物画』山本容子
  『アライバル』ショーン・タン
  『セレクション俳人 小澤實』
  『セレクション俳人 田中裕明』
  『昼寝の国の人』
  『セレクション俳人 櫂未知子』
  『セレクション俳人 正木ゆう子』
  『シリーズ自句自解Ⅰ ベスト100 池田澄子』
  『金子兜太×池田澄子―兜太百句を読む。 (百句他解シリーズ)』
  『百句燦燦』塚本邦雄
  『機嫌のいい犬』川上弘美
  『BABYLON』青山茂根
  『六十億本の回転する曲がつた棒』関悦史
  『雲の座』押野裕


  『俳句という遊び』小林恭二 (絶版)
  『俳句という愉しみ』小林恭二 (絶版)
  『アメリカ・アメリカ』中上健次(絶版)
  『ヒューモアとしての唯物論』柄谷行人 (絶版)
  『こゑふたつ』鴇田智哉(絶版)

絶版本は、販売されていません。正式はフェア書目は、紀伊國屋書店webサイトでご確認下さい。


3 comments:

邑書林 島田牙城 さんのコメント...

邑書林です。おはようございます。
さて、このフェアへ、一昨日『俳コレ』40冊、昨日『六十億本の回転する曲がつた棒』40冊を、紀伊國屋書店新宿本店様へ直送いたしました。今日にはドドドドっと並ぶ事でせう。追加注文が来る事を期待してゐます。皆々様のご協力をお願い位置します。

牙城 さんのコメント...

わー、なぜだ、い位置します、になつてる。ひ致します。です。わー。朝から誤植。あ、朝から『誤植』を読むといふのもいいかもしれません。『誤植』もフェアに並んでをります。

匿名 さんのコメント...

こんにちは、林雅樹です。
このフェア、「アナザー文学」なんて変なネーミングだなと思っていたのですが、
私が書いていたのですか、、、申し訳ない、、、
昨日の夜、行ってみました。
『新撰21』『超新撰21』それに『俳コレ』並んでいて壮観でした。
ナボコフ、クノー、ヴァレリーなどと一緒に置いてあるのが感動的。
店員さんの手書きの字がかわいかったです。