2013-07-28

後記+プロフィール 327

後記 ● 村田 篠


今週は小特集として【俳句の「音」】についてお届けします。

「音」と言えば、俳句をはじめて間もないころ、「恒信風句会」というネット上の句会で「五九四俳句」というのをつくったことがありました。小野裕三さんの〈「新・五七調」再論〉でも触れられていますが、「五七五」ではなく「五九四」という音数でつくるもので、作家の長嶋有さんの提唱で始まり、この句会ではときおり五九四俳句による句会が行われていたのだと記憶しています。

この「五九四」が、俳句を始めたばかりの私には「五七五」よりはるかにつくりやすかったのです。九音を「三三三」と細かく刻むことでリズムをつくりやすく、そのあとの「四」に言いっぱなし感があってスピードが保たれます。現代の話し言葉に近いリズムだったのかもしれません。わずかな違いですが、「五七五」でつくるより設定を乗せやすいというか、発想そのものも変わってくるようなところもありました。書いているうちに、なんだか久しぶりに「五九四」で俳句をつくりたくなりました。

もう少し突っ込んだ話は、小野裕三さんの〈「新・五七調」再論〉でどうぞお読み下さい。

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ところで、小誌でもおなじみの近恵さんが、今年の現代俳句協会新人賞を受賞されました。おめでとうございます。ちなみに、佳作の岡田由季さんは「第1回週刊俳句賞」の受賞者です。小誌ゆかりのおふたりのご活躍、うれしい限りです。

なお、近恵さんの受賞作は、現代俳句協会のサイト(ここ)で読むことができます。

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それでは、また、次の日曜日にお会いしましょう。


no.327/2013-7-28 profile

■鳥居真里子 とりい・まりこ
1948年東京に生まれる。87年「門」入会。97年「船団」入会。俳人協会会員。句集に『鼬の姉妹』(2002年)、『月の茗荷』(2008年)。

■ことり
「夜河」「LOTUS」同人。

■三島ゆかり みしま・ゆかり
俳人。1994年より作句。 http://misimisi2.blogspot.com/

小野裕三 おの・ゆうぞう
1968年、大分県生まれ。神奈川県在住。「海程」所属、「豆の木」同人。第22回(2002年度)現代俳句協会評論賞、現代俳句協会新人賞佳作、新潮新人賞(評論部門)最終候補など。句集に『メキシコ料理店』(角川書店)、共著に『現代の俳人101』(金子兜太編・新書館)。サイト「ono-deluxe」

■兵頭全郎 ひょうどう・ぜんろう
1969年大阪生まれ。「川柳結社ふらすこてん」同人・編集人。「Leaf」同人・編集人。「川柳カード」同人。

藤井雪兎 ふじい・せっと
1978年東京都生まれ。2012年自由律俳句集団「鉄塊」参加。第10回放哉賞入賞。
「鉄塊」web:http://haiku-free.blogspot.jp/

■鴇田智哉 ときた・ともや
1969年木更津生まれ。第16回(2001年)俳句研究賞受賞、第29回(2005年)俳人協会新人賞受賞。句集に『こゑふたつ』。「雲」編集長。  

■馬場古戸暢 ばば・ことのぶ
1983年生まれ。自由律俳句(随句)結社「草原」同人。

■小川春休 おがわ・しゅんきゅう
1976年、広島生まれ。現在「童子」同人、「澤」会員。句集『銀の泡』。サイト「ハルヤスミ web site

■野口 裕 のぐち・ゆたか
1952年兵庫県尼崎市生まれ。1952年兵庫県尼崎市生まれ。二人誌「五七五定型」(小池正博・野口裕)完結しました。最終号は品切れですが、第一号から第四号までは残部あります。希望の方は、yutakanoguti@mail.goo.ne.jp まで。進呈します。サイト「野口家のホーム ページ」

西原天気 さいばら・てんき
1955年生まれ。「月天」同人。句集に『人名句集チャーリーさん』(2005年・私家版)、『けむり』(2011年10月・西田書店)。ブログ「七曜堂」 twitter

■上田信治 うえだ・しんじ
1961年生れ。共著『超新撰21』(2010)『虚子に学ぶ俳句365日』(2011)共編『俳コレ』(2012)ほか。

■村田 篠 むらた・しの
1958年、兵庫県生まれ。2002年、俳句を始める。現在「月天」「塵風」同人、「百句会」会員。共著『子規に学ぶ俳句365日』(2011)。俳人協会会員。「Belle Epoque」 



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