2014-04-27

音楽を詠む Galileo Galileiで見る四季 小鳥遊栄樹

音楽を詠む Galileo Galileiで見る四季

小鳥遊栄樹


一般人の季節感と俳人の季節感とでは何処かしら違うものがあるのではないかと時々思うことがあります。一般人の春はもしかしたら俳人の夏かもしれない。一般人の無季だって俳人は季節の色をつけられる。そんな季節感の違いを俳句と並ぶ趣味、音楽を通して見ていけたらいいなと思ってこの記事を書かせていただきました。

今回、僕が詠もうと企画しているアーティストは、敬愛するアーティストのうちのひとつ、Galileo Galileiです。

※Galileo Galileiとは?…2008年、ハローグッバイ(「雨のちガリレオ」収録)にて全国約一万組の応募の中から初代閃光ライオットグランプリに見事輝き、2010年、ハマナスの花(「ハマナスの花」収録)が史上最年少でau LISMO のCMへタイアップされメジャーデビューを果たしたアーティストである。おおきく振りかぶって、機動戦士ガンダムAGE、荒川アンダーザブリッジ、あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない、等数々の有名作品の主題歌を担当する。処女作、管制塔(「雨のちガリレオ」収録)は歌詞のストーリーをもとに三木孝浩映画監督により映画化されている。その際に管制塔のアコースティックver.を1stアルバム「パレード」に収録している。何度かのメンバーチェンジを経て3ピース(+サポートメンバー×2人、合計5人)に落ち着く。


ハマナスの花/Galileo Galilei
http://youtu.be/LwYfT8LijfI

曲のタイトルで使われているハマナス、晩夏の季語です。ですがこの曲のMVを見たときに誰も夏の曲だとは思わないでしょう。僕は晩春から初夏くらいの曲じゃないかなと思います。

  蛇穴を出づ身体より小さきドア

  ハマナスの散る早さで広がる世界

  カーテンふわり花吹雪包まるる


夏空/Galileo Galilei
http://youtu.be/X1Vm1YnDbj4

この曲はまさしく夏の曲ですね。盛夏と見てもいいかもしれませんが、曲調の爽やかさから初夏らしさも感じられるのではないでしょうか。個人的にこんな部屋に住みたいです。

  夏空を創りし神様の脚立

  浮き輪潜つてパラレルワールドに入る

  人居らぬ椅子水平線を向けり(無季)


四ツ葉さがしの旅人/Galileo Galilei
http://youtu.be/wfwpu-CVvXo

この曲もタイトルに使われている四ツ葉(クローバー)、春の季語ですが、僕は曲調やMVの色合いから秋らしさを感じました。緩い暖かみのようなものは春と秋に共通しているのではないかと思ってます。

  秋気澄む目覚まし止める利き手かな

  秋空を統べたる神の杖長し

  夢落ちの果てに金木犀香る


僕から君へ/Galileo Galilei
http://youtu.be/QfKWbAtVnoI

この曲はMVの雰囲気や冷たさを感じる曲調から、冬らしさが見えてくるような気もします。晩秋から初冬にかけての曲でしょうか。歌詞を見ながら曲を聞いてみると季語として冬銀河がぴったりくるのかなとも思いました。

  冬鳥の一斉に飛ぶ水面かな

  犬溶けて凍星となる準備かな

  スケボーの反り北風を貫けり


青い栞/Galileo Galilei
http://youtu.be/mF-Da9NXmb4

この曲の爽やかさと緩い暖かみのようなものは晩春から初夏にかけての曲でしょう。夏空と青い栞は僕が一番好きな曲です。

  春浅しカラーボールに人の熱

  廃線の真つ直ぐに伸ぶ鳥曇

  空瓶を捨て終点に石鹸玉


さよならフロンティア/Galileo Galilei
http://youtu.be/eoe8WikDG1I

この曲の爽やかさを残しつつ落ち着きもある曲調は晩夏から初秋にかけての曲でしょうか。MVに出てくる増減する立方体の色合いからも季節感が感じられるような気がしないでもないです。

  パステルの多き四角や夏始め

  流星や四角イコライザのごとく

  皆髪の長きバンドや夏日射す


明日へ/Galileo Galilei
http://youtu.be/Kmcc8WQvlJg

この曲の落ち着きもありつつ何処かしら冷たさも含んだような曲調は晩秋から初冬にかけての曲でしょうか。曲を重ねるたびにエレクトロニックな感じが増してきているような気がします。

  白鍵に這わせたる指秋深し

  蛇穴に入る黒鍵の深き黒

 

今回以上の7曲をお借りしてGalileo Galileiで四季を詠ませていただきました。今回使用しなかった曲も良い曲が多いので、是非聞いてみてください。

これはあくまで未熟な僕の俳人として見た、聞いたときの勝手な季節感です。至らぬ点もたくさんありますが、暖かい眼で読んでいただけたら嬉しいです。

拙い文章で大変読み辛かったと思いますが、最後まで読んでいただきありがとうございました。

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