2015-07-26

10句作品テキスト 生駒大祐 夏の訃

夏の訃 生駒大祐

邂逅の窓汚れゐる如く夏雲
君持つ其れ流木或いは氷菓の匙
遠い祭囃子呼吸に水を使ふ彼ら
昔話止めて帰しぬ熱帯夜就寝のため
葬の朝は涼しく君其れを不必要と
煙は上へのぼる眺めてゐるサンダルを履いて
真白き箱折紙の蟬を入れる箱
渚はるか渚むかし渚三つの影
灼けて全て光駅に待てる列車すらも
そして夏は終る車内束の間楽流れ


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