2016-06-26

10句作品テキスト 嵯峨根鈴子 ふたつの性

嵯峨根鈴子 ふたつの性

だありあと少し凄んで名告りけり

空つぽの浮巣に戻る回転扉

夏鶯ふたつの性を跨いでしまふ

油絵具全色滝を搾り出す

そこんとこ超合金の蜥蜴の尾

仏桑華あんぐりかうもんくわつやくきん

充血した地球に添うて蚊柱が立つ

ででむしや箱にしんなりふたつの性

心臓のかゆきところに花ざくろ

かかとからくるりとむけて夏の月

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