2016-11-20

【自薦記事 500号を振り返って】印象深いあれこれ 村田 篠

【自薦記事 500号を振り返って】
印象深いあれこれ

村田 篠


私は2008年の7月(第66号)から更新のお手伝いをしていますが、記事そのものはあまり書いていません。その少ない中から「自薦」するのは、例えば、年間15本しか映画を観ていないのに「今年の映画ベスト10」を選ぶことよりもむずかしい気がします。

ですので、自分の中で印象に残っている記事、ということでご容赦下さい。

追悼・今井杏太郎
第二句集『通草葛』を読む 旅人のまなざし

恩師である今井杏太郎の訃報が流れてほどなく、小誌・上田信治さんから「追悼特集をしましょう」と連絡がありました。それからほんの2,3日のうちに、信治さんと協力してさまざまな方々への記事の依頼が完了し、没後ほぼ2週間で「特集 追悼・今井杏太郎」をリリース。当然ですが、どの総合誌よりも早かった。ウェブマガジンの特徴を実感したできごとでした。

じつはこの時期、夫の転勤で三重県の四日市市に住んでいたので手許に『通草葛』がなく、東京へ取りに帰る時間もなく、信治さんからお手持ちの句集を送ってもらってなんとか原稿を書いた、という思い出があります。

『俳句』2013年8月号「希望の星たち 新世代作品特集」を読む
〔前篇〕 〔後篇〕

上田信治さんと一緒に『俳句』2013年8月号の記事を読んだ対談。これも四日市にいた頃で、ネット掲示板に同時にアクセスし、書き込んでゆくという、当時でもかなりレトロな方法で記事をつくりました。

後記

私が最も書いているのは「後記」ですので、その中から覚えているものを。

第104号の後記で「東京ドームで見たオリックス無名時代のイチロー」について書いています。どうして書いたのか思い出せず調べてみたら、この時期、イチローが安打数日本新記録と日米通算1000打点を達成したらしいです。今読むと過去の記憶が二層になって面白いものです。

第436号の後記に書いた「冷夏」の話題は、自分のしたことがあまりにばかばかしくて、印象深く、かなり気に入っています。

最後に、第452号の後記。その日の吟行の帰りに知った「バリケン」という鳥の姿に衝撃を受けて書いたのですが、今回改めて彼らの写真を見ると、全然衝撃を受けないことに驚きます。「知っている」ことがどれほど人間の感覚を鈍らせるかについて、考えてしまいます。


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