2017-10-15

10句作品 月夜 上森敦代

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月夜 上森敦代

月の出のフォーク逆さに使いおり
宵待の壺の中から波の音
白き尾を抱えて眠る小望月
コンソメの匂いの残る良夜かな
月の船父が手招きしておりぬ
十六夜を巡れば骨の軋みけり
錠剤のひとつ失せたる居待月
ちぎれそうな月が男の上にあり
城山に残る山彦昼の月
襖絵の虎が水飲む十三夜

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