2018-03-18

中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜 第42回 美空ひばり「泣き笑いのマンボ」

中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜
第42回 美空ひばり「泣き笑いのマンボ」


憲武●戦後、笠置シヅ子の物真似で有名になった少女歌手がいました。それが美空ひばりです。というわけで「泣き笑いのマンボ」。



憲武●この曲、エキサイトするんです。気分が高揚するんです。

天気●ボンゴが大活躍ですね。

憲武●打て打てボンゴですからね。作詞美空ひばり。作曲松尾健司。演奏はコロムビアオーケストラです。当時、この手の曲は、リズム歌謡と呼ばれてたんですね。アレンジがマンボだったりボサノヴァやジャズだったり。

天気●1950年代は世界的にラテン音楽ブーム。日本にもペレス・プラド、トリオ・ロス・パンチョスなど大御所が相次いでやってきた。

憲武●日本って周期的にラテンブームが来ますよね。この曲、東映の「続々べらんめえ芸者」の主題歌なんですね。観たことないんですけど。昭和35年(1960年)ですから、美空ひばり23歳です。

天気●高倉健が共演。

憲武●結構共演してるんですよね。セリフがね、聞いてると普通ちょっと気恥ずかしくなったりするんですけど、それがない。感情と声の抑揚がいいんです。

天気●さあ、みんな! 歌ってよ! さみしくなんかありゃしない!

憲武●誰が泣いたりするもんか! 美空ひばりは生涯で150本以上の映画に出ましたから、歌手であると同時に女優でもあったんですよね。こういう曲もあります。

https://youtu.be/ZoE68tESaVU

憲武●作詞作曲編曲、米山正夫、演奏コロムビアオーケストラ。「ロカビリー剣法」。東映映画「花笠若衆」(昭和33年・1958年)の主題歌です。コロムビアオーケストラ、レベル高いっすね。そしてセットの豪華さ。すでにテレビに押されて映画が下火になっていたとはいえ、まだまだ活気がありました。

天気●映画館数、観客動員数とも、1960年頃がピーク。その後10年間で激減。どちらも映画黄金時代の最後の頃ですね。

憲武●着物の裾からチラッと覗く太ももにゾクっとしたお客さんいたんじゃないでしょうか。 


(最終回まで、あと959夜)
(次回は西原天気の推薦曲)

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