新年詠テキスト2010新年詠(2)-3

2010新年詠(2)-3

日も月も風もまるしよお元日　　卓田謙一
子は二人目の児を抱き福寿草　　田口武
ふつくらと東の寺院初明り　田中亜美
薺打つなづなのままになづな打つ　　玉簾
人の手が動いてゐたる破魔矢かな　　茅根知子
ぐわんたんのぎうにゆう飲めと手渡さる　　津久井 健之
初日の出参りましたと缶コーヒー　　津田このみ
ひととほりめくりて吊るす初暦　　鶴岡加苗
ふたへなる蛍光灯のはつ昔　　鴇田智哉
北斎の波にのせたし鏡餅　　鳥居真里子
ﾄイレットペーパー三が日の減り具合　　仲 寒蝉
初手水元の通りに柄杓置く　　中嶋憲武
人の日の耳掃除はた鼻掃除　　中村國司
乳色の太陽若菜摘みにけり　　西村　薫
あけまして枕をならべたらこです　　長谷川　裕
双六に上がらぬひとのよく笑ひ　　浜いぶき
三日はや棒を一本引き抜けり　　林　阿愚林
元日の朝刊重きうれしさよ　　媚庵
七曜の色みな違ふ初暦　　日原 傳
レトルトのカレーを茹でる女正月　　平川みどり
腑分図や喰ひ積長き箸で摘む　　藤 幹子
黒豆の陽気な黒をつまみけり　　振り子

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