2012-01-15

10句作品テキスト 小林千史 塔

 塔  小林千史

もうゐない人の羽衣謡初
声はいつ言葉となるや鳰くぐる
白息の少年塔の柱指す
風花や空には腕二本のみ
森閑と初躓きを誰も見ず
理不尽に道の交差も堅雪も
一心に研ぎきさらぎの光切る



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