自由律俳句を読む 9 坂道
馬場古戸暢
私が子どもの頃に住んでいた家は、小高いところにあった。「坂道」は、買い物へ行くにも学校へ行くにも、避けては通れない道であり続けた。
ひょっこり出会う犬の坂道 中筋祖啓
私の故郷が田舎だったせいだろうか、今よりも放し飼いの犬や野良犬が多くさまよっていたような気がする。帰宅途中に彼らとひょっこり出会った際には、いつも恐怖を感じていた。毎度半泣きになりながら、別ルートを迂回していたものである。
湯にぬくもり坂道をおりていく 井上敬雄
坂道の上に温泉が湧いていたのだろうか。夏なら行き帰りともに難儀なことだが、他の季節であればちょうどよい運動になりそうだ。
坂道を登り切ればコスモス畑の広がり 薄井啓司
コスモスは、少し小高い所に生えているように思う。少しばかり汗をかきながら坂道をのぼり、視界が開けたところに急に広がるコスモス畑。その爽快感たるや、格別のものがあることだろう。
●
2013-09-01
自由律俳句を読む 9 坂道 馬場古戸暢
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 comments:
コメントを投稿