自由律俳句を読む36
『新墾』 〔2〕
馬場古戸暢
前回に引き続き、『新墾』句を鑑賞する。
温度差の違う両家に孫生まれる 天野三枝子
片方の家では孫フィーバーが巻き起こり、もう片方の家では「あ、そう」で終わってしまったのだろう。こればっかりは、仕方がない。
こんないい月が嘘つき 荻島架人
意味はわからないが、「月」と「つき」をかけているのだろう。そんな月夜もあろう。
手水打つ庭を群飛ぶ赤とんぼ 野上サダ子
夏の終わりのひとこま。井上陽水の「少年時代」が流れてきそうである。
久々の娘の太鼓で炭坑節 成重容代
炭鉱のまちで生れ育った方の句か。日々の暮らしの中でも、たまにこうして踊っているのかもしれない。
ノラに避妊の猛暑なり 竹本照子
猫が人間社会の中で生きて行くには致し方ない避妊手術。この猛暑に、作者も思うところがあったか。
2014-03-23
自由律俳句を読む36 『新墾』 〔2〕 馬場古戸暢
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