2008-04-27

10句作品テキスト 佐藤郁良 白磁の首

 白 磁 の 首    佐藤郁良

深々と夕日を湛へ雪解川      
初花と聞いて夜道を戻りけり
人形にガラスの瞳花の雨
鳥帰る白磁の首のうつくしき
たち上がる島二つ三つ朝霞
うららかや海に向かつて立つ墓石
蜃気楼失敗作のごとく立つ
抽斗に小さき鍵や桜貝
地下鉄のぬるき風圧春うれひ
しづけさのかくもけだるき残花かな

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