2011-12-25

「週俳の2011年」回顧〔1〕一月~三月

「週俳の2011年」回顧
〔1〕一月~三月
:第193号~第205号 ……生駒大祐


週刊俳句にとっての一年も終わりを迎えようとしています。

193号194号の「週俳2011新年詠」に幕をあけた今年の週俳。今年も引き続き新春特別作品を寄稿していただいておりますが、今にして思うと、俳コレ関係者がそろい踏みです。齋藤朝比古さんは作家、山田耕司さんは選者、池田澄子さん、岸本尚毅さんは座談会にと。特別作品以外の作品にも関係者がいっぱい。新年詠には週俳のエッセンスが詰まっているのかもしれません。

祐天寺写真館 メキシコ篇」(195号~)がはじまり、「超新撰21を読む」(196号~)が載り始めたのも1月。これらには長きに亘って楽しませていただきました。196号には井口吾郎さんの「回文俳句・秋冬コレクション」が掲載。また、青木亮人さん、寺澤一雄さんの論考、神野紗希さんの、のちにスピカの「弾性俳句特集」につながりそうな時評「木曜日と冷蔵庫」など、論作ともに充実。1月は広く投句を受け付ける「投句作品」欄も充実でした。

2月は198号福田若之さんの「『俳句想望俳句』はロラン・バルトの夢を見るか?」という力作の論考ではじまりました。これはブログなどで話題となりましたね。

続いての199号はかの「まるごとSSTプロデュース号」!トップ他の写真で出落ちで終わるわけではなく、作品も人物評も座談会も非常に見ごたえのあるものでした。今後もSSTの活躍に目が離せません。

さらにさらに、次の200号では200号記念としてたくさんの方に「〔週俳アーカイヴ〕 私のオススメ記事」の原稿を賜りました。シュウハイにも見えない様々な変化があったことがよくわかる特集でした。そして同じ号ではハイクマシーンによる「平井照敏 編『新歳時記』につっこむ」の連載が好評のうちに終了いたしました。

201号では生駒、山口優夢さん、西原天気さんによる100題への新作100句を出すという何かの行のような「【奉納】100題100句2011」が掲載されています。地下のケンタッキーで必死に句を作っていたことをまざまざと思い出しました。

そして、3月11日の震災。

震災後最初のシュウハイ203号は初めての「非常事態号」というかたちを取りました。多くは語りません。震災の余波がなお続くいま、再びロビン・ギルさんの言葉を再掲します。
こちら

次の204号には最近新聞にも掲載されたブログ「金原まさ子百歳からのブログ」の金原まさ子さんの10句作品が掲載されたり「ああ暗い煮詰まっているぎゅうとねぎ 金原まさ子」いち早い提言である、小野裕三さんの「今回の大地震に関連して思うこと」が掲載されたりしました。平常運転に見えてもやはりどこかいつもとは違う空気感のあるように感じてしまう号です。

そして個人的に大変楽しみにしている今井聖さんの新連載「奇人怪人俳人」が205号に掲載され、3月は幕を下ろすのでした。

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