投稿作品「長き夜の」 解題
お気づきかと存じますが,これは,「なかきよのとおのねふりのみなめさめなみのりふねのおとのよきかな」(長き夜のとをの眠りのみな目ざめ 波のり舟の音のよきかな)という回文の和歌の31文字を用いた連作です.
タイトルは第1番目の文字「な」で始まる「長き夜の」とし,以下の30文字「か」,「き」,「よ」,・・・などそれぞれで始まる俳句を並べて30句連作としております.
各句は,その文字で始まる季語「蜉蝣」,「桔梗」,「夜這星」,・・・などを含むものとし,始めから10句ずつ,初秋・仲秋・晩秋(あるいは兼三秋)となるような作りになっており,荒唐無稽な夢の世界を描いたつもりです.
やってみてはじめて感じたことは,このようなことをするには,なんと季語が足りない(!)という驚きでした.いつもは季語が多すぎると思っていたのですが.
(淵上信子)
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