2013-02-10

後記+プロフィール 303


後記 ● 村田 篠


寒い毎日がつづいています。自宅のベランダから、一冬中雪をいただいた雪嶺が見えます。

私は瀬戸内海に面した地方都市で生まれ、雪を日常的に見ることなく育ちました。東京に住むようになって雪をよく見るようになりましたが、雪嶺を見ながら暮らしたことはありませんでした。

考えてみれば、雪嶺の見える家に住むのは、生まれて初めてです。ここは雪国ではなく、伊勢湾に面した街なのですが、山だけではなく、街にも一冬の間に何度か積雪します。だから住民は意外に雪に慣れていて、よほどの大雪でないかぎり、交通が麻痺したりすることはありません。

いま、ささやかながら、人生でもっとも雪に親しんで暮らしているという実感があります。

 

さて今週は、歌人でもあられる照屋眞理子さんの10句作品をお送りします。さらに、福田若之さんの〔「べき」との闘い、あるいは「コンビニ」との不貞行為〕は、「批評」について考察した一文。面白いです。「1月の俳句を読む」では、新年詠を読むことの楽しさを、たっぷりとご堪能下さい。
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それではまた、次の日曜日にお会いしましょう。


no.303/2013-2-10 profile

■照屋眞理子 てるや・まりこ
1951年、東京生まれ。塚本邦雄に師事。歌誌「玲瓏」会員。句誌「季刊芙蓉」代表。
歌集『夢の岸』、『抽象の薔薇』。句集『月の書架』、『やよ子猫』。

福田若之 ふくだ・わかゆき
1991年東京生まれ。開成高校在学中に俳句部に入り、句作をはじめる。現在大学生。共著『俳コレ』。

■今村恵子 いまむら・けいこ
長崎生まれ。1998年作句開始。「沖」同人を経て、現在「梟」同人、「青垣」、俳人協会会員。2009年「俳壇賞」受賞。

■淡海うたひ おうみ・うたい
1955年神奈川県横須賀市生まれ。2004年、写真集『寺ねこ』(河出書房新社)俳句担当。2010年、第一句集『危険水位』(本阿弥書店)出版。俳誌「春月」同人。俳人協会会員。

■近 恵 こん・けい
1964年生まれ。青森県出身、都内在住。2007年より俳句を始める。「炎環」同人、「豆の木」メンバー。2009年炎環新人賞。2010年5名による合同句集『きざし』。

■仲 寒蝉 なか・かんせん
1957年、大阪市生まれ。「港」「里」同人。第50回(2005年)角川俳句賞受賞。句集『海市郵便』(邑書林2004年)、文集『鯨の尾』(邑書林 2007年)。佐久市在住。

新延 拳 にいのべ・けん
1953年、東京生まれ。既刊詩集7冊(地球賞、更科源蔵文学賞、詩と創造賞)。他に連詩集、しかけ絵本など。現在、「澤」同人。

■野口る理 のぐち・るり
1986年生まれ。共著に『俳コレ』、『子規に学ぶ俳句365日』。

■藤 幹子 ふじ・みきこ
1978生。『炎環』所属。同人。

松野苑子 まつの・そのこ
1947年生れ。「好日」「坂」「鷹」の同人を経て、現在「街」同人会長。俳人協会会員。昭和58年度青雲賞、平成元年度坂俳句賞、第8回俳句朝日賞準賞受賞。句集『誕生花』『真水(さみづ)』。「苑子の俳句パレット

■野口 裕 のぐち・ゆたか
1952年兵庫県尼崎市生まれ。1952年兵庫県尼崎市生まれ。二人誌「五七五定型」(小池正博・野口裕)完結しました。最終号は品切れですが、第一号から第四号までは残部あります。希望の方は、yutakanoguti@mail.goo.ne.jp まで。進呈します。サイト「野口家のホーム ページ

■小川春休 おがわ・しゅんきゅう
1976年、広島生まれ。現在「童子」同人、「澤」会員。句集『銀の泡』。サイト「ハルヤスミ web site

■村田 篠 むらた・しの
1958年、兵庫県生まれ。2002年、俳句を始める。2003年、「魚座」入会。「魚座」終刊により2007年「雲」入会、同人。2010年「雲」退会。現在「月天」「塵風」同人、「百句会」会員。俳人協会会員。「Belle Epoque」 

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