2014-04-20

自由律俳句を読む40 第二回全国自由律句大会〔2〕 馬場古戸暢

自由律俳句を読む40
第二回全国自由律句大会〔2〕

馬場古戸暢


前回に引き続き、「第二回全国自由律句大会」応募句を鑑賞する。

恋猫にくれてやったわ暁の夢  須貝孝子

個人的には、非常に好きな雰囲気を漂わせる掲句。発情期の猫の声に起こされた様子が、美しくあるいは滑稽に描かれている。同じ作者に、「すったもんだと春が行くわ」の句もあったが、これもまた私のつぼに入った。

満開の桜を見上げる猫の曲線  秋生ゆき

猫背の猫も、満開の桜を前にしては、背筋を正すほかなかったのだろう。日常の何気ない発見が詠まれていると思う。

遠くを見つめる男にごはんと言う  平岡久美子

年を食った男の背中が浮かぶ句。幸せな日々のひとこまが切り取られている。

雨宿りのそれぞれを帰ってゆく  平山礼子

軒下を共にしたのも束の間、雨が止んだならば皆それぞれの生活に戻って行くのである。なんとなく、さびしさを感じもする。

風は弓なりの穂にやすむ翅  高田弄山

風通しのよい写生句。新奇な句材や表現方法に拠った句ばかりではなく、こうした落ち着きのある句も一定の割合で詠まれて行ってほしい。

3 件のコメント:

  1. 自由律っ子2014年4月21日 21:03

    間違っていたらごめんなさい。
    多分
     前回の ×本山麗草 は ○本山麓草さん
     今回の ×高山弄山 は ○高田弄山さん
    だと思うのですが。

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  2. 私は自由律俳句のことは詳しくないのですが、自由律っ子さんがおっしゃるとおりかと思います。お二方ともけっこう有名な方みたいですし。名前をまちがえるのはちょっとね〜(自分もよくよく気をつけないと)。

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  3. 馬場古戸暢2014年4月25日 20:59

    ご指摘をどうもありがとうございます。
    お二方のおっしゃられる通りです。
    麓草氏と弄山氏には、大変に失礼なことをいたしました。

    今後、十分に気を付けてまいります。
    また誤りなどありましたら、ご指導いただければ幸いです。

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