2015-04-05

12句作品 北大路翼 花の記憶

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週刊俳句 第415号 2015-4-5
北大路翼 花の記憶
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2 件のコメント:


  1. オヤジ俳句の世界

    オヤジギャグというジャンル(?)がある。
    ウィキペディアによると「主に中高年層の男性が頻繁に使う、駄洒落や地口の要素をふんだんに含んだ安直なギャグ」
    ということであるが、若い人や女性が使うこともないわけではないだろう。
    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%A4%E3%82%B8%E3%82%AE%E3%83%A3%E3%82%B0
    厳密な定義というと難しくなるが、確かに「オヤジギャグ」なる一定の手触りには思い当たる人が多いと思う。

    今回いくつかその「オヤジギャグ」に近い感触を得る句が続いたので記しておこうと思う。

    近づくほどにブラジャーは紫陽花だな 北大路翼
    百日紅女に運転してもらふ 同
    葉牡丹が特殊な性癖だとしたら 同

    北大路翼の場合いわゆるオヤジギャグの年代でもないのだろうが、こういった句はいかにもオヤジ的である。
    飲み会でちょっと酔って調子に乗った中高年が「ぶっちゃけてみました」という風情が薫る。
    悪ぶってみたり、妙に弱さをアピールしたり、SだのMだの言いたがるあの感じ。
    ただあまりにも「らしい」ので、良くも悪くもあえて打ち出しているオヤジ感なのだろう。

    戦争にいろんな事情九条葱  西原天気
    乳首ああ冬の乳房のてつぺんに 同
    戦争はぜつたいあかん夏蜜柑 同

    さてこちらもこちらでオヤジ感満載なのだが、西原天気の場合は少し北大路翼とは趣が違う。
    翼の句はみずからオヤジであることを押し出していこうとする攻めのオヤジ俳句であるが、天気の句はどちらかというと守りのオヤジである。
    ある種のオヤジはしばしば、深刻な状況に耐えられない。
    真剣な話題を進めようとするとき、ダジャレや下ネタで空気を変えようとするわけだ。
    これは「翁の軽み」ではなく「オヤジの軽さ」なのである。

    さてオヤジオヤジと書いてきたが、オヤジギャグが好きな人もいれば嫌いな人もいる。
    一種の挨拶として場を和ませることもあれば、ごまかしやハラスメントに加担することもある。
    してみればそのあたり、俳句ともなかなか似通っている。
    オヤジ俳句はそういったことにもふと気づかせてくれる。

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  2. ミスジ さん。コメント、ありがとうございます。

    以前、オヤジ性について、ひじょうに力のこもった記事を書きました。
    http://weekly-haiku.blogspot.jp/2014/08/blog-post_57.html

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