【八田木枯の一句】
風のごときものなり戀も陶枕も
西村麒麟
『鏡騒』(2010年)より。
風のごときものなり戀も陶枕も 八田木枯
大人の余裕というところでしょうか。もう、何というか、風のようなもんだね、さっぱりしたものさ、というような。
作者のことはわからないけれど、もちろん大抵の場合はそんなことはない。
どろっどろの、ギットギトの、家系ラーメンのスープのような、戀とはそんなものではないだろうか。
しかしそんな俳句は読みたくないので「風のごときもの」でもちろん良い。
あぁ…、と呻きたくなるような屈辱や恥じらいの熱を陶枕は涼しく吸ってくれる。
戀とは風のようなものでありたい。
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