2016-12-18

【八田木枯の一句】金屏のうしろの襖あいてをり  西村麒麟

【八田木枯の一句】
金屏のうしろの襖あいてをり

西村麒麟


金屏のうしろの襖あいてをり     八田木枯

「八田木枯少年期句集」より。

 

襖がどの程度開いているのかは、書かれていない情報なので、読者次第。全開でも良いし、ほんの少しでも良い。

どちらにしても金屏の奥、襖の向こう側の空間は変わらないはずなのに、不思議と面白さが変わってくるのではないだろうか。

襖が全開なら、その前の金屏に奇妙な違和感があるだろうし、襖が少しだけあいているのなら、その隙間の暗さは異界へと繋がる扉のようにも見える。

なんでもない日常を、少し奇妙に感じることは、愉快な遊びだ。



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