【八田木枯の一句】
金屏のうしろの襖あいてをり
西村麒麟
金屏のうしろの襖あいてをり 八田木枯
「八田木枯少年期句集」より。
襖がどの程度開いているのかは、書かれていない情報なので、読者次第。全開でも良いし、ほんの少しでも良い。
どちらにしても金屏の奥、襖の向こう側の空間は変わらないはずなのに、不思議と面白さが変わってくるのではないだろうか。
襖が全開なら、その前の金屏に奇妙な違和感があるだろうし、襖が少しだけあいているのなら、その隙間の暗さは異界へと繋がる扉のようにも見える。
なんでもない日常を、少し奇妙に感じることは、愉快な遊びだ。
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