2017-08-13

〔今週号の表紙〕第538号 ウミネコ 大江進

〔今週号の表紙〕
第538号 ウミネコ

大江進


山形県には島がひとつだけある。酒田市から沖合39kmの日本海に浮かぶ飛島である。周囲10kmほどの小さな島だが、ウミネコの繁殖地でもある。酒田港と飛島を結ぶ定期船があるのだが、その船にはいつもウミネコがついてくる。乗客からもらう餌を求めてであったり、写真のようにちゃっかりと「無賃乗船」をするためである。天然記念物になっていることもあり、人をおそれることがなく、のどかな光景ではある。もっともこの船尾は船を時速38kmで走らせるエンジン音が大きく響き、スクリューの巻き上げる盛大な水しぶきをともなうのだが、そこはウミネコも慣れたもの。

ウミネコはカモメの仲間で、鳴き声が猫に似ていることからの命名。左の茶色いのは今年生まれた幼鳥で、右は若い成鳥。8月いっぱいくらいで飛島からウミネコは姿を消し、北海道方面に向けて飛び立つ。



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