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捨猫や桐の花ふる生垣に
素麺冷やして母系の家や猫までも
川遠や鳥に濃うなる樫若葉
川音の近さに薔薇の褪せはじむ
原爆はほんたう花水木の陰る
水馬やみづのまだらを被爆以後
原爆ドームに楽止まぬ日や蚊に刺され
原爆を見し人氷菓吸うてをり
夏帽子抱かれてより川なりけり
原爆ドームの奥を撮る子や苔の花
黙礼やみな立葵見てきしが
のど仏うすく苔生す樹なりけり
爆心のそのあかるみの夏柳
原爆以後この緑陰に人の棲む
あをぎりの裂傷鳥のこゑのなか
どの碑にも蟻ゐるそれも大きな蟻
鳩呼んで溽暑の人や野に宿る
蝉時雨うすきにも碑の立ちゐたり
かつて爆心いまは入道雲のうら
白シャツやふくらんで風その匂ひ
冷房の展示室冴ゆ二人来て
扇風機いつも傾ぎてをりにけり
空蝉がゐて被爆樹の添木かな
演説に揚羽来てをり演者が見る
鐘までをきざはし灼けてをりにけり
炎天に唾甘うして合掌す
立秋の日をほのと敷き爆心地
七夕にながき昼あり血を病んで
八月をみな旅人のかほをして
萩を描かず原爆ドームのスケッチよ
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