2019-03-24

10句作品 広渡敬雄 八戸えんぶり


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:おんこ=一位(アララギ)
:せんべい汁=八戸の郷土料理で、専用の南部煎餅を用い
醤油味に煮立てた汁物や鍋料理。

※えんぶり
年の初めに豊年満作を祈る八戸の民俗芸能で、毎年二月十七
日から二十日に行われ、国の重要無形民俗文化財に指定され
ている。全国に残る「田植踊り」の一種と言われ、その名称
は、田んぼを均す「朳(えぶり)」という農具に由来する。





広渡敬雄 八戸えんぶり

雪暗や海猫(ごめ)風に乗り飛び尽くす
焚火の香纏ふ神事の始まりぬ
頬紅き子もえんぶりの列に付く
掃きありし磴に零れて沓の雪
落椿地(つち)の起伏のあきらかに
お庭えんぶりおんこを丸く刈り揃へ  
朳唄乾の風の容赦なし  
藁靴の軋む音こそ恵比寿舞
燠となる篝えんぶり猛りけり  
舞ひ了へて啜るや熱きせんべい汁

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