中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜
原田知世「時をかける少女」
原田知世「時をかける少女」
憲武●先日、大林宣彦監督が亡くなりまして、テレビでも追悼番組として、「時をかける少女」など放映されたので、ご覧になった方も多いのではと思います。そういう訳で、原田知世「時をかける少女」。
憲武●この動画は2017年に原田知世が、セルフカバーアルバムを出した時のライブだと思います。ボサノヴァアレンジで、しっとり歌ってますね。
天気●ボサノヴァは、ちょっとムリクリな感じもしますが、まあ、ヴァージョン(異版)の選択肢として妥当。
憲武●「時をかける少女」って、原作は筒井康隆で、NHKの少年ドラマシリーズで「タイムトラベラー」というタイトルでドラマ化されてますね。原作を読むと主人公の芳山和子は中3って設定で、今の中3と違って、大人なイメージなんですよ。もっとも、小6の頃読んだので、大人と感じたのかもしれないんですが。
天気●原作は読んでいないです。当時、筒井康隆がジュブナイルを!? てな感じで、世間がちょっと驚いたような……。記憶が曖昧ですが。テレビ版も見ていない。アニメ版(2006年/細田守監督)は観ました。よかったですよ。
憲武●ああ、それは未見です。観たいですね。ちょっと1983年にタイムトラベルしてみましょう。
憲武●はい、いいですね! ラストは「知世ちゃん!」って声をかけたくなっちゃう笑顔。公開時に劇場で観たとき、ドキッとしましたね。倒れている原田知世を足の方から舐めるように撮ってるカットから始まって。それから歌が始まってパンアップしてドリーバックしてくんですが。ドッキリは続いてましたね。
天気●エンディングのタイトルバックのこんなふうな遊びというか処理は、今でこそ珍しくないですが、当時は新鮮だったのでしょうね。
憲武●最後まできちんと丁寧に撮ってる感じしました。この頃の歌唱って、発声とか音程とかが、頼りない感じがあって、「だいじょぶだいじょぶ? 頑張って頑張って」と応援したくなっちゃうんですが、さっき観たボサノヴァアレンジ版では、表現力も歌唱も、グッと上手くなってて、別人ですね。
天気●歌や音楽が多いのかな? 近年は、女優業よりも。
憲武●高橋幸宏などと一緒にpupaというバンドも組んでます。この曲は松任谷由実の曲なんですが、デビュー当時はユーミンの下手っぴーな歌い方を、すっかりカバーしてたんじゃないかと思いますね。ノンビブラートの歌唱法とかね。もともと原田知世って、歌が上手い人だったんだなあと思いました。
天気●少女歌謡、アイドル歌謡の王道だと思いますけど?
憲武●はい、それはもう薬師丸さんと一緒に王道行ってます。さてラベンダーの香りに包まれて眠るとしますかね。
(最終回まで、あと857夜)
(次回は西原天気の推薦曲)
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