10句作品 こゑのある 内野義悠

こゑのある　内野義悠

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桐一葉落つ旅果ての帯解いて

すすきふんはり声それぞれにはなれゆく

霧の夜の失着へさかのぼる指

不知火の規格統一されてをり

陽の濁り濃し錆鮎にこゑのある

振りて根に重みの土や秋夕焼 

火恋し液晶の罅なでをれば

銀杏散る誤植くすぐつたきページ

すさまじや革に触れゐて革の聲

海流の深み想へる夜業かな