【句集を読む】余計なもの瀬戸正洋『似非老人と珈琲 薄志弱行』とゆるく付き合う・その5西原天気ようやく、ほんとうにようやく、暑くない日が増えてきました。それはつまり、冷奴から湯豆腐へ。豆腐の更衣です。
冷奴余計なものがうへにたつぷり 瀬戸正洋
私などは、冷奴に載せる薬味が愉しくて、生姜やらかつぶしやらすり胡麻やら茗荷やら葱やら、果てはいわゆる食べるラー油やら、いろんなものをたっぷり載せて食しているので、この句を読むと、自分の欲深さ・低俗さが恥ずかしくなります。
余計なものを載せずに、あるいは載せても最小限に。そういう人間になりたいと、思ったことでした。
(つづく)
瀬戸正洋『似非老人と珈琲 薄志弱行』2024年3月/新潮社
0 件のコメント:
コメントを投稿