【中嶋憲武×西原天気の音楽千夜一夜】
冬木透「交響詩ウルトラセブン」
憲武●今回も追悼です。中嶋憲武の回は追悼続きます。2024年12月26日に冬木透が亡くなっていました。最近知ったのですが迂闊であったと言えましょう。冬木透、交響詩「ウルトラセブン」より「第一楽章 ウルトラセブン登場」。
憲武●もともと冬木透の名前で知っていたのですが、これは別名で、蒔田尚昊(まいた・しょうこう)がもともとクラシック音楽での作曲家名でした。冬木透という名は主にテレビや映画、ウルトラシリーズで使っていました。有名な「ワンダバ」の男性コーラスも冬木透です。
天気●ワンダバ? これですね。意識したことなかったけど。
憲武●「帰ってきたウルトラマン」で使用されていた曲です。
天気●そうなんですね。私はウルトラセブンまでしか観てない。だから、知らないんですね。
憲武●なるほど。僕は「帰ってきたウルトラマン」まで観てました。この交響詩「ウルトラセブン」の演奏は東京交響楽団です。最初は不穏な暗い感じから始まりますね。「ウルトラセブン」のサントラ盤を聴いているので、「侵略の魔の手」のM6、M5B、M5Cあたりが繋ぎ合わされているのが分かります。
天気●なるほど、コラージュになってるわけですか。
憲武●僕は以前に日本IBM管弦楽団の演奏で、この交響詩「ウルトラセブン」を聴いていますが、演奏者を前にすると心揺さぶられるモノがありました。暗いイメージから一転、ヴァイオリンの速弾きからテーマとなるところは、ばあっと雲がなくなって光が差してくる印象があります。
天気●1分55秒あたりから?
憲武●そうですね。「ウルトラマン」「ウルトラセブン」と続けて本放送を観ていたんですが、「ウルトラマン」の楽曲担当の宮内國男よりも、冬木透の方がクラシック色を強く打ち出していて、それが子供心に新鮮な感じがしました。現に「ウルトラセブン」の最終回ではシューマンのピアノ協奏曲を取り入れています。
天気●最終回のラスト、アンヌ隊員にカミングアウトするシーンのことですかね?
憲武●そうですね。このシーンです。背景がさっと変わってドキッとした演出でした。それでは今回も冬木透指揮による「ウルトラセブンの歌」を聴きながらお別れしましょう。
(最終回まで、あと617夜)
0 件のコメント:
コメントを投稿