2007-07-08

俳句図鑑 〔6〕 かがみ

連動企画 俳句図鑑 〔6〕 かがみ
















ない影はうつらで寒き鏡哉  木因

この春を鏡見ることもなかりけり  正岡子規

山帰来石は鏡のごとくなり  川端茅舎

鏡中に西日射し入る夕立あと  山口誓子

耕せり大秋天を鏡とし  西東三鬼

氷屋の鏡中かがやく馬行けり  中村草田男

畳踏む夏足袋映る鏡かな  阿波野青畝

部屋のことすべて鏡にシクラメン  中村汀女

橙朱欒鏡のなかの橙朱欒  小澤實

熱気球来る鏡の中の手鏡に  須藤 徹

風邪ごゑの三面鏡をたたみけり  行方克己

梟の夢にも船の大鏡  夏石番矢

手鏡の背中恐ろし夏の恋  対馬康子

鏡の中黍の嵐となりにけり  加倉井秋を

ほそながき鏡の掛かる鳥の恋  大木あまり

停車場の鏡に冬の来たりけり  小川軽舟

三面鏡にずらりと一人神の留守  櫂未知子

奥深き鏡を舐めて春の蠅  鷹羽狩行

貌が棲む芒の中の捨て鏡  中村苑子




compiled by saibara tenki

0 comments: