2007-08-12

『俳句研究』2007年9月号(休刊号)を読む 上田信治

『俳句研究』2007年9月号(休刊号)を読む ……上田信治




空っぽだ、という言葉しか、浮かんできません。

目次を開くと、「第一線俳人50人による作品8句」という作品特集で、50ページ。
つぎに「いまこそ俳句! 600人からのメッセージ」というアンケート特集で、93ページ。
他には、いつもの、連載記事。ほぼ、それだけ。

「第一線俳人50人」は、後藤比奈夫から、長谷川櫂まで50人が年齢順に並んでいます。ひじょうに不思議な頼み方です。第一線俳人が、なぜ、年齢で区切られるのか。50代ということなら小澤實が入ってもいいはずだし、
はじめから、長谷川櫂より上(年齢が)で、50人頼もうと、決めて頼んだとしか思えない人選です。

「600人からのメッセージ」は、代表句1句、感銘句1句、メッセージ「いま、俳句に思うこと」。
誰もおもしろいことなんか、言ってません。年末の号のアンケートを、前倒しでやってるというだけです。
間違いなく、アンケートにそえて、編集スタッフに対する同情のこもった言葉が、多数、寄せられたことでしょう。

何、これ。就職活動?

…いや、まあ、そういうことを言ってはいけない。きっと、スタッフは、ガッカリしすぎて、身体も頭も動かなかったんでしょう。

せっかくだから、面白いところを拾います。

●いまこそ俳句! 600人からのメッセージ p101-
大牧広さん「総合誌がデスクの好悪によって、内容が偏重することはよいことではない。水先案内人としてのプライドを持つ総合誌こそが待たれる。それに応えている総合誌はある」
加藤かな文さん「俳句はいろいろな場所にある。句集、総合誌、結社誌、新聞の投句欄、お茶の缶、ブログ。「俳句研究」という場所にあった俳句はどこに行くのだろう。そもそも俳句はどこにあるのがいちばん好ましいのだろう」
岸本尚毅さん「(略)目の前によい句があれば幸せ、ただそれだけのことである」
島田牙城さん「(自選句)昼寝すと言ひたるままに荼毘にあり」
高山れおなさん「(略)日本社会はその精神の貧しさをいよいよ露呈するでしょう。俳句は面白くなるでしょう」
谷雄介さん「「いま俳句に思うこと」については、あまりにもたくさんありすぎるので、下記ホームページを(略)」
筑紫磐井さん「十年前、小澤實のプロフィルを依頼され、「小澤實の時代来たる」と書いて顰蹙をかったが、今まさに小澤實の時代が来ようとしている。再びここに「櫂未知子の時代来たる」と書いて顰蹙をかってみたい」

あと、小林貴子さんの回答が、面白かった。依光陽子さんの回答が、偉そうだった。稲畑廣太郎さんの回答が、関西弁だった。

●リレーエッセイ「句友・句敵」p94-
おや、さいばら天気さんが、雪我狂流さんのことを、書いています。

●恭二歳時記 p72-
「新興俳句編」2回目にして、中断です。さいごの文が「(鳳作の「しんしんと」の句に対する)俳人たちの具体的な反応については、稿を改めることにしましょう。」とあったので、とりあえず、何らかのかたちで続きが読めることを、期待して、待つことにします。



3 コメント:

島田牙城 さんのコメント...

信治さま
コメントではなく俳句を選んで下さったこと、うれしいですね。
コメントとの連動ではありますが、アンケート用紙が届いたその日の新作でありました……。御礼。
まあ、「俳句研究」という雑誌は何度も何度も版元が変ってきたわけで、中には、途中1巻1号と銘打って過去の「俳句研究」とはっきりと決別した社もありまして、本当に70年続いたといえるのかという疑問もありますし、またそのうちどこそこかの版元さんが継ぐのでしょうね、ということもあって、まあ、そういうこともあるのでしょうね、程度の思いしか持っていません。編集後記のある一部分には唖然としましたが……。

天気 さんのコメント...

>小林貴子さんの回答、依光陽子さんの回答、稲畑廣太郎さんの回答

なるほどなるほど、です。

上田信治 さんのコメント...

>牙城さま
いやあ、あの句はw だって、休んでるつもりが、亡くなってたって……。

>天気さま
依光さんのは、まあ、あれとして、人は偉そうに、ビンカンだなと、自分を見て思います。気をつけねば。