2007-12-23

10句作品 テキスト 中原徳子 朱欒ざぼん 

 朱欒ざぼん     中原徳子

       フィリップ・ジャンティ・カンパニー『世界の涯て』に寄す


白鳥よ種も仕掛もある夢よ

極月の鋏と化せる下半身

かはされてばかりや冬のモスキート

冬帽右往左往人形に操られ

ポインセチアあかるい毒をたつぷりと

朱欒ざぼん人形の肉ふくらみ来

巨女冬夕焼を吸ひ尽す

街並の落ちゆく冬のマンホール

遁走の果て球体の冬霞

マフラーや世界はかくもやはらかく


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