ハイクマ歳時記・春
【水温む】(みづぬるむ)
てすりのないせまいかいだん水温む 上田信治
鼻高き人の鼾や水温む 佐藤文香
【鶯】(うぐひす)
鶯や落款に血のかよひたる 佐藤文香
うぐひすや水こぼしつつ運びつつ 上田信治
【梅】(うめ・むめ)
目つむるといふ待ちやうも梅の花 佐藤文香
ほんたうに梅咲いてゐる梅ヶ丘 上田信治
【東風】(こち)
一連のマトリオシカや東風過ぎぬ 佐藤文香
東風吹かば紙箱入のティーバッグ 上田信治
【甘茶】(あまちや)
へその緒のやうな甘茶仏とおもふ 上田信治
甘茶手に受くや洛中洛外図 佐藤文香
【春深し】(はるふかし)
飯蛸の味噌汁となり春深し 上田信治
春深し能面に歯のたしかなる 佐藤文香
2008-03-09
ハイクマ歳時記 テキスト
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