2008-05-18

10句作品テキスト 菊田一平 指でつぽ

指でつぽ  菊田一平


首刎ねよ首を刎ねよと百千鳥

踊子の楽屋に届く桜鯛

東京を鳥が啄ばむ目借り時

発掘のけふは休みで翁草

花御堂虻の羽音の来ては去ぬ

炒飯(チャーハン)にきざむ焼豚(チャーシュー)みどりの夜

畳屋の奥より菖蒲湯の匂ひ

ねぢ花のねぢれを伝ふ昼の雨

麦とろのとろろ泡立て旧端午

指でつぽ紙の兜にむけて撃つ




0 comments: