2008-08-10

10句作品テキスト 山口優夢 家  

 家   山口優夢

水音のひしめいてゐる夏休
てのひらもあうらもキャンプ帰りかな
玄関の灯の小ささよ水中り
人ばかり映す姿見夜の秋
月見草喪服脱ぎても影黒し
絵扇の中へ帰れぬ子供かな
のうぜんのおぼるるやうに開きけり
ゆく夏のシンクに水の伸びゆける
台風や薬缶に頭蓋ほどの闇
長き夜のどこもきしまぬ廊下かな



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