2008-08-17

10句作品テキスト 津久井健之 蝉

 蝉  津久井健之
みづいろの朝にちよつぴり蝉の鳴く
朝の蝉こだま電球点きしまま
芥を焼く煙突白し蝉しぐれ
蝉掴む握りつぶしてしまふほど
蝉しぐれ雲塊溶けて流れけり
どしやぶりに蝉のあかがね迫りけり
夕闇の火照りし土手に蝉落ちぬ
金胡麻を炒るひとときや蝉の夕
街灯に照りだされゐし油蝉
電飾に絡まる蝉のまだ元気



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