毎週日曜日更新のウェブマガジン。俳句にまつわる諸々の事柄。photo by Tenki SAIBARA
石垣島通信〔 8 〕 風鈴仏桑華 ……玉簾
那覇では毎日朝から晩まで泡盛(特に古酒)を飲み歩いていたせいか(だって喫茶店にもあるんだもん)、酔眼には普通のハイビスカスしか見えませなんだが、これは凄い。線香花火のような花風鈴。それにしてもこの音は。何千という風鈴仏桑花が垂れ下がり、風にさやぎながら、そのさやぎが蘂に伝わると鈴のようにいっせいに共鳴しあうかのよう。ふと、死んだジャズ・ドラマー富樫雅彦のハイハットを思い出した。真鍮を削るシャーリングのような。ずっと、聴いていると、岡崎京子の漫画「リバーズ・エッジ」の死体のある河原のセイタカワダチソウをざわめかす夜風のようにも思える。そう思うと、本当に読み返したくなって、風鈴仏桑花のサウンドをリピートしながら、久方ぶりに「リバーズ・エッジ」を読んだ。鳥肌が立つほど最高のBGMだった。
猫髭さん、こんばんは。>線香花火のような花風鈴。はい。私も「線香花火」と呼んでいます。農道の真ん中のキビ畑の脇に植えられた一輪を摘ませてもらい太陽に透かして写してみました。彼岸花にも少し似ている。どちらも名前に黄泉を感じる文字が入っていますね。音源、深く聴いていただけてうれしいです。まさしくおっしゃるとおりの風景。キビ畑の向こうには古い墓地が、その向こうには火葬場が。荼毘の煙は高く昇ったあと、風に交じってこの畑の上を海に向かって流れて行くのです。何人もの煙を見送りました。それは、ただ美しく広い空と風と緑の中を抜けて黄泉に向かう人の最後の光景です。
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那覇では毎日朝から晩まで泡盛(特に古酒)を飲み歩いていたせいか(だって喫茶店にもあるんだもん)、酔眼には普通のハイビスカスしか見えませなんだが、これは凄い。線香花火のような花風鈴。
それにしてもこの音は。何千という風鈴仏桑花が垂れ下がり、風にさやぎながら、そのさやぎが蘂に伝わると鈴のようにいっせいに共鳴しあうかのよう。
ふと、死んだジャズ・ドラマー富樫雅彦のハイハットを思い出した。真鍮を削るシャーリングのような。
ずっと、聴いていると、岡崎京子の漫画「リバーズ・エッジ」の死体のある河原のセイタカワダチソウをざわめかす夜風のようにも思える。そう思うと、本当に読み返したくなって、風鈴仏桑花のサウンドをリピートしながら、久方ぶりに「リバーズ・エッジ」を読んだ。鳥肌が立つほど最高のBGMだった。
猫髭さん、こんばんは。
>線香花火のような花風鈴。
はい。私も「線香花火」と呼んでいます。農道の真ん中のキビ畑の脇に植えられた一輪を摘ませてもらい太陽に透かして写してみました。彼岸花にも少し似ている。どちらも名前に黄泉を感じる文字が入っていますね。
音源、深く聴いていただけてうれしいです。まさしくおっしゃるとおりの風景。キビ畑の向こうには古い墓地が、その向こうには火葬場が。荼毘の煙は高く昇ったあと、風に交じってこの畑の上を海に向かって流れて行くのです。何人もの煙を見送りました。それは、ただ美しく広い空と風と緑の中を抜けて黄泉に向かう人の最後の光景です。
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