2008-10-05

『俳句界』2008年10月号を読む……上田信治


【俳誌を読む】
『俳句界』2008年10月号を読む


上田信治







大特集座談会「現代俳界のねじれ現象を突く(1)」 p.126

今月は、これでしょう。

岩淵喜代子(ににん)栗林眞知子(ホトトギス)坂口昌弘(評論家)澤好摩(円錐)谷雄介(THC)筑紫磐井(豈)星野高士(玉藻)の各氏による座談会。今月は前編の掲載。

「俳壇を憂う」「若手の不在」「モチベーション」「キレる若手」「余計なお世話!?」「若手の保守化」「名句か駄句か」と小見出しが並び、どういう話になったかが(編集部の期待もふくめ)、だいたい分かります。

というか、俳句の現在の問題点というのは、誰でも分かってるわけです。

今日はてっきり高柳克弘君が来ると思っていろいろ用意してきたのですが、谷君が代理ということなのであまりいじめられなくて残念です。彼をのぞくとあとはおじさん、おばさんだけなので、彼の目で見て本当に俳句は魅力があるかどうかは聞いてみたかったですね。今日はいろいろな話があると思いますが、結論的には彼らの世代が俳句とどのように向きあっていくかということに尽きるでしょう。(筑紫磐井)

つまり、俳句を一表現ジャンルとして見る立場(たとえば若手)から見て、俳句は本当に魅力があるのかどうか(ないんじゃないかなあドキドキ)ということですよね。

そして、唯一の若手出席者である谷雄介の、第一声。けっこう本質的です。

先ほど坂口さんから「天才ある一人」(「天才ある一人も来たれ、天才なき九百九十九人も来たれ」高浜虚子)という話がでましたが、僕も同感です。ただの俳句が好きな人ともっと上を目指すところの人とダブルスタンダードで考えなければならないと思います。(谷雄介)

おお、それ、もうちょっと、展開して欲しい。

ところで「ホトトギス」の栗林さんが、高校生俳句にふれて「ああいう人がいる限りは悲観的にならなくてもいいと思います。どう育てていくかは別ですが」と言って、谷君に「「育てられる」ということに抵抗がある人はいるかも知れないですね」と切り返され、「旧かな遣いとか文法などを積極的に若手に発信・教えていってもいいかなと思います」と言って、やはり谷君に「旧かながきちんと使えたり、季語をたくさん知っているのが俳人として上等だとしたら(…)俳句がそれだけのものなら若い人には勧めない方がいいですね」と、剣突を食わされたりしています。谷君、栗林さんを悪役(ヒール)に仕立てたんじゃない?

最近若手が切字や切れのことばかり言っていますが、(…)切れのない俳句は許せないなんてそんな若手を許せませんね(笑)。戦後の代表的な龍太や登四郎の俳句は、脱切字・脱切れ俳句でしたから。昨今の文法、切れ問題を見ていると、俳句を滅ぼすのは反動的若手ではないかという気すらします。(筑紫磐井)

ここでいう若手には、40代から50前半くらいまで入っているかも。

「ホトトギス」だって評論のひょの字もないわけですから。自己満足の世界ですね。「玉藻」もできるだけ余所の人を入れていかなければいけないと思っています。磐井さんに半年間雑詠欄をやってもらうとか(笑)(星野高士)

そんな「玉藻」なら入りたいです。

あまり中身を紹介してしまうと、「俳句界」の商売のジャマなので、このへんにしておきましょう。

大人数の座談会で、話題が収斂し問題点があぶり出されるというわけには行かないのですが、放談あり、問題提起あり、対立ありで、(谷君の悪者ぶりなどもふくめて)読み物として楽しめます。

後半、もっと、あちこち話が飛び火・誘爆することを、期待しましょう。



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仮想書店 http://astore.amazon.co.jp/comerainorc0f-22

ところで! もう一冊の総合誌「俳句」のほう、ちょっと今月、句のメンツが細かくいいような気がするんですが。あ、この人のページは読もうという人が、山上さん、三村さん、石嶌さん、軽舟さん、冨田さん、文香さん、間村さん、一平さん、塩見さん、と、ほらいっぱい。

1 コメント:

tenki さんのコメント...

>もう一冊の総合誌「俳句」のほう

今月、そちらを担当した者です。

俳句は、はい、もう、それは。
読者諸氏、それぞれ、立ち読みなり購読なりでお読みいただければ、と。