人 参 鴇田智哉
芒から人立ちあがりくるゆふべ
ひなたなら鹿の形があてはまる
秋の日をひらけば網の目になりぬ
桃の実に鏡の立つてゐる机
ほそい木に巻きつく風が神無月
あふむけに凩は削げ落ちてゆく
空風のあかるみに木のまぎれたる
ひとりづつ眠つてつはの花ひらく
水にゐるごとくに風邪を保ちをる
人参を並べておけば分かるなり
●
2008-12-21
10句テキスト 鴇田智哉 人参
登録:
コメントの投稿 (Atom)
毎週日曜日更新のウェブマガジン。
俳句にまつわる諸々の事柄。
photo by Tenki SAIBARA
人 参 鴇田智哉
芒から人立ちあがりくるゆふべ
ひなたなら鹿の形があてはまる
秋の日をひらけば網の目になりぬ
桃の実に鏡の立つてゐる机
ほそい木に巻きつく風が神無月
あふむけに凩は削げ落ちてゆく
空風のあかるみに木のまぎれたる
ひとりづつ眠つてつはの花ひらく
水にゐるごとくに風邪を保ちをる
人参を並べておけば分かるなり
●
0 comments:
コメントを投稿