抱けば 鶴岡加苗
産むために帰るふるさと風光る
深々と分娩室の春の闇
春の宵いきみ逃せと言はれても
産声のまはりの無音花吹雪
産み終へてみればこの世は花ざかり
春暁や産めば母性のおのづから
花の昼乳の足りたる子の寝息
あたたかや十月十日(とつきとをか)をおもひだし
置けば泣き抱けば乳欲る日永かな
マンションの昼の閑けさ花水木
●
2009-03-29
10句作品テキスト 鶴岡加苗 抱けば
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photo by Tenki SAIBARA
抱けば 鶴岡加苗
産むために帰るふるさと風光る
深々と分娩室の春の闇
春の宵いきみ逃せと言はれても
産声のまはりの無音花吹雪
産み終へてみればこの世は花ざかり
春暁や産めば母性のおのづから
花の昼乳の足りたる子の寝息
あたたかや十月十日(とつきとをか)をおもひだし
置けば泣き抱けば乳欲る日永かな
マンションの昼の閑けさ花水木
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