2009-04-12

10句作品テキスト 小川軽舟 仕事場

  仕事場   小川軽舟

地獄絵のほのほ人のむ日永かな

鳥交るあをぞら神の見えざる手

嫁菜飯白木の箸のかをるなり

黒板に散らかる声や桃の花

鳥の恋革の手帳の角潰る

仕事場の二階の朝湯初桜

花冷の十日続きし番茶かな

呼びに来し子と帰りけり夕蛙

空気より夕日つめたき落花かな

夢に凝るまでの薄闇あたたかし

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