2009-05-17

商店街放浪記09 新潟 本町(ほんちょう)6番町商店街

商店街放浪記 09 新潟 本町(ほんちょう)6番町商店街

小池康生



新潟は、東京から新幹線で2時間ほど。大阪からは、飛行機を使い1時間ほどで行ける。
それぞれ別の機会に、東京の仕事仲間、大阪の仕事仲間を案内したことがあるが、ふたりとも相当に偏ったイメージをこの地に持っていたようで、まず、新潟が都会であることに驚いていた。その驚きようは、失礼にも相当“田舎”扱いしていた証拠である。
そして、次に食べ物と米のうまさに驚き、急激にファンになる。
即ち、何年も前に、わたしが新潟に足を踏み入れた時と同じ反応である。

新潟市の中心部は、都会なのである。
新潟駅から北に10分ほど歩くと、<万代>という街にでるが、ここにはアルタがある。東京の「笑っていいとも」でおなじみのファッションビルのアルタである。デパートは三越もあるし、伊勢丹もあり、ビルボードプレイスというファッションビルもあり、それらが万代にひとかたまりになっている。

つい最近、新潟の女子高生のスカート丈が、日本国内において特別短いとの“報道”がなされていたが、わたしは、何年も前から気づいていた。京都も相当短い。それもこれも、街全体がおしゃれだからである。東京と同じファッション情報が入るので、女性が流行に敏感であり、高校生は、制服に個性を出そうと力が入るのだ―――と勝手に解釈している。そんな分析、わたしがしなくてもいいのだが。

市内では、<万代>ゾーンと、信濃川の向こう側の<古町>ゾーンが新潟市内の二大繁華街ではなかろうか。
古町は、かつては柳たゆたう花町として賑わった街。今も新潟グルメが犇いている。

でも、今回は、その古町商店街と並行する<本町6番町商店街>を歩く。
新潟駅から柾谷小路を辿り、信濃川に架かる6連アーチの萬代橋を渡り、そのまましばらく進むと、「しばらくと言うには長いなあ」と思う辺りにアーケードが見え、そこに≪本町商店街6≫と記してある。そこが目的の商店街である。

この商店街には、鮮魚を扱うお店がある。
新潟を訪れるときは、「鮭だ」「甘エビだ」と思うのに、駅からずっと魚屋にお目にかかれない(新潟駅構内のスーパーには鮮魚店があるが)。新潟に来るまでは、魚を扱う威勢のいいお店がそこかしこにあるようなイメージを持っていたのだが、魚屋が本当に見当たらず、最初はそれがとても不思議であった。

仕事で何度も新潟を訪れているうちに、空き時間に散歩をし、徐々に地理が頭に入ってきた頃に見つけたのがこの商店街である。
単に魚屋があるのでなく、魚屋を中心にした市場が二つあり、単独の魚屋もいくつかある。もちろん、野菜、果物、飲食ファッションを扱うお店も並んでいる。

それだけではない。この商店街には、<市>が立っている。
左右に並ぶ店舗の前に、ずらりと露店が並んでいるのである。
店舗の前に露店、なのだ。

果物屋の前に野菜の露店が立ち、婦人服のお店の前に魚屋だったか漬物屋だったかの露店がでている。
地元の野菜や、自分家(チ)で漬けた十全茄子を売りに来ているという感じである。

露天商は、広げた“店”の一画にレジを置き、コンロを置いて茶を沸かし、弁当を食っている。“座敷付き”である。キャリアが違う。なんどか訪れているが、いつも露店の市が立っている。
こう書くと、猥雑な画を思い浮かべるかもしれないが、商店街全体が穏やかなのだ。閑散として穏やかなのではない。人の流れがあり、賑わいつつ、静けさがあるのだ。

万代の洗練されたファッションタウンとは別の彩り。素朴さを残し、淡々と商いが行われている。魚屋が多いのに、静かというのも不思議である。近江や函館や和歌山のような威勢の良さ、気風の良さはない。新潟県人の気質であろうか。穏やかで奥床しい魚屋さんが多い。それともお店で働く人に高齢者が多いからか。

この商店街をずーっと進み、アーケードの切れたところに、<人情横丁>という市場がクロスしている。過日、某レストランのシェフに教えてもらったところ、ここには昔、川が流れていて、そこを埋め立てて出来たそうで、新潟歴史博物館にも、市に関して、
『港湾都市として栄えた新潟や沼垂(ぬったり)では、毎日市が立った。蒲原平野には数多くの在郷町があり、日用品、魚介類、農家の伝統野菜を乗せた舟が行き来した』
とある。

人情横丁には浜焼きの魚屋さんがあり、串刺しの魚を囲炉裏で焼いている。飲食ができるなら飛びつくのだが、販売なので入らなかった。写真に撮りたくなるようなお店だ。他に、カレーラーメン、メキシコ料理、そば屋など、ランチにぴったりの店が多い。わたしは、韓国料理屋でビール、烏賊の塩辛、韓国冷麺だった。

この日は、本町6番町商店街の入り口の市場で、つぶ貝と甘海老を買い、商店街のなかほどで十全茄子を買った。昨夜も十全茄子を料理屋で食べたのだが、今夜も食べるのだ。大阪には泉州水茄子があるのだが、十全もイケル。

今回は、柾谷小路を西側に入り、6番町に入ったが、東に折れていくと、<下本町商店街>があり、こちらはアーケードはないが、古い民家がそのまま商店になり、ここでもまた店舗の前に露店が出ている。
<6番町>ほどの賑わいもないが、魚屋はあるし、野菜や花を売っているし、枯れた味わいの商店街である。こちらも応援したくなる。
新潟市内で2時間ほどの時間を持て余したら、この界隈、<人情横丁><本町6番町商店街><下本町商店街>がお薦め。百円均一ショップでクーラーバッグも買える。

                      (次回はいずこに)
 

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