無題 正木ゆう子
射的屋に鸚鵡の飼はれゐる晩夏
日に近く新月はあり曼珠沙華
はばたきの遊戯にあらず渡り鳥
栗食んで空の奥処に手の届く
鶏頭に視線を載せてゐたりけり
風の盆だれのものでもない女
秋風のニスの匂ひを花かとも
一切と別るるときの天の川
一切と溶け合ふときの天の川
ふゆのにじ冬野虹てふ儚き名
●
2009-10-18
10句作品テクスト 正木ゆう子 無題
登録:
コメントの投稿 (Atom)
毎週日曜日更新のウェブマガジン。
俳句にまつわる諸々の事柄。
photo by Tenki SAIBARA
無題 正木ゆう子
射的屋に鸚鵡の飼はれゐる晩夏
日に近く新月はあり曼珠沙華
はばたきの遊戯にあらず渡り鳥
栗食んで空の奥処に手の届く
鶏頭に視線を載せてゐたりけり
風の盆だれのものでもない女
秋風のニスの匂ひを花かとも
一切と別るるときの天の川
一切と溶け合ふときの天の川
ふゆのにじ冬野虹てふ儚き名
●
0 comments:
コメントを投稿