遠 景 高橋 雅世
鉄塔と鉄塔遠し十二月
綿虫は父の便りのやうに来る
ゑのころの枯れきつてゐる蛇口かな
水洟や人の集まる川向う
マスクしてまた背表紙に目がうごく
枝影のぐんと伸びたる古暦
こゑ交す鴉に水の涸れにけり
短日の缶コーヒーの落ちる音
電球の額を照らす寒さかな
食卓を遠景としてゆく冬野
●
2009-12-13
10句作品テクスト 高橋雅世 遠景
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photo by Tenki SAIBARA
遠 景 高橋 雅世
鉄塔と鉄塔遠し十二月
綿虫は父の便りのやうに来る
ゑのころの枯れきつてゐる蛇口かな
水洟や人の集まる川向う
マスクしてまた背表紙に目がうごく
枝影のぐんと伸びたる古暦
こゑ交す鴉に水の涸れにけり
短日の缶コーヒーの落ちる音
電球の額を照らす寒さかな
食卓を遠景としてゆく冬野
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