2010-01-17

10句テキスト 明隅礼子 冬銀河

 冬銀河  明隅礼子

踊子のひとりみづうみへと帰る

月まどかいもうととして嬰生れぬ

鳥渡るまだ名を持たぬ嬰抱けば

子の生れて家は花野の風まとふ

かいつぶり群れて一羽もくぐらざる

冬銀河星を知らざるみどりごに

花を買ひ花をもらひて十二月

聖樹の灯たどり終着駅に来ぬ

おなじこと幾度もおもふ枯野かな

風花や口をつぐみし道祖神

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