2010新年詠(1)あ-こ
下着ほど白き新日記をひらく 青山茂根
元日のガンジスに生きかつ逝きて 井口吾郎
ガンジスに撒かれし男初湯かな 井口 栞
蓬莱を見てゐる喉の渇きかな 生駒大祐
繭玉やほんとに怖ひ夢だつた 市堀玉宗
山茶花の中に田中正造伏す 今井 聖
初詣零戦を見て空を見て 今村豊
めくればトランプの予備 上田信治
合体と叫ぶ恋人秘め始め 上野葉月
空を行くものの泪目大旦 大島雄作
アルマジロ巻いて紫立つ淑気 岡野泰輔
よくもわるくも荒城の実千両 岡村知昭
ゆるり開く天体ドーム去年今年 小川さき子
呼んでゐるのは初夢の外のひと 小川春休
初空のやうなものらつぷとつぷから 小川楓子
あらたまのみぞれは雪に我に雪 越智友亮
なめし皮ほどの明るさ初詣 櫂未知子
琵琶法師で死ね、春蝉が唆す 戒波羅蜜多 麟
あらたまの波打つ芹を摘みにけり 川嶋一美
楪に山のめざめてゆくごとし 神戸由紀子
姫初めいつか女に殺される 北大路翼
初春や明るきままに日は西に 岸本尚毅
ゆづり葉や何譲らむと生き急ぐ 熊谷 尚
初御空卑弥呼の骨のあるところ 久留島元
●
2010-01-03
新年詠テキスト 2010新年詠(1)あ-こ
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 comments:
コメントを投稿