2010-01-03

新年詠テキスト2010新年詠(1)こ-は

2010新年詠(1)こ-は

去年今年蜂の死殻を引つ剥がす  小池康生
牛飯を待つ数人や除夜の鐘  神野紗希
かんたんな雲の浮かびしお元日  こしのゆみこ
初詣富士も片衣脱ぎにけり  五百石
かつら屋に初荷の鬘届きけり  興梠 隆
簡単に済ませし御慶御神酒樽  近 恵
国道を渡るひとりの淑気かな  齋藤朝比古
初鏡髪結はふ子にゆづりけり  坂石佳音
初茜ねぐら蹴離す鳥の声  堺谷真人
世田谷の入日うつろふ歌がるた  佐藤ふく福
初夢や木星の縞匙ですくひ 柴田佐知子
望月のありしと出掛け除夜詣 杉原祐之
初笑ひするスイッチを押しにけり  鈴木茂雄
青空に青の七彩大旦  すずきみのる
ベートーベン「悲愴」独楽のまはりけり  瀬戸正洋
裏白やここはどこでもないところ   谷口智行
諍ひのある星に生れ去年今年  常盤 優
咲くような初日の虎穴入り行く  豊里友行
人臭く田遊びの夜の更けゆきぬ  中村 遥
初夢や宇宙の果てを覗き見る  七風姿
獅子舞や笑はぬ君を笑かしに  西村麒麟
なまぐさき初日のぼりぬ那珂湊  猫髭
二日酔い浮かんでは消え王朝史  野口 裕
アンカーマンの初笑いして次へ  橋本 直

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