新年詠テキスト2010新年詠(2)-2

2010新年詠(2)-2

豆腐屋の初荷の幟たふれさう　　小早川忠義
初湯してしばし素直になりにけり　　小林鮎美
億萬の寅の吠えをる賀状かな　　小林苑を
喰積や母は奇数を尊べる　　駒木根淳子
年明くる携帯電話の守しつつ　　米男。
白破魔矢一年分の鈴鳴らし　　近藤栄治
初電話安芸より越の雪のこと　　斎藤悦子
曳猿の手庇あたらしき景色　　さいばら天気
ノーサティスファクション鸚哥の初声ぞ　　榮猿丸
竜の棲む島を目指して読始　　榊倫代
鬼の首取って来たよと書く賀状　　桜井教人
マスク下に蒸れてその寒紅ぞ濃き　　佐山哲郎
二日はやぶつかけられしうどんかな　　澤田和弥
賀詞申すのびてちぢんでまたのびて　　しなだしん
あくびからあくびの妖怪初山河　　柴田千晶
去年のやうな今年のやうなお元日　　島田牙城
御降りの音に手紙を書きはじむ　　杉山久子
書初のはの字つの字に日の字かな　　鈴木不意
山鳥の庭に来てゐる寝正月　　涼野海音
次は何食べに参らむ初不動　　鷹井はるみ
元旦の青空のなか地球浮く　　高橋透水
綾取りの山間の月お正月　　高橋洋子

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