2010-01-10

新年詠テキスト2010新年詠(2)-4

2010新年詠(2)-4

門柱にしばられ松の枝さびし  松尾清隆
クリオネの心臓うごく小正月  松下カロ
人の日や電柱のややナナメ立ち  麻里伊
「撃!」「撃!」「撃!」貼つて二日のパチンコ屋  三浦 郁
モノリスのこゑも床しや初鴉  湊 圭史
正月の凧や上流へと光  三村凌霄
汝が糞虎視眈々だし昆布かな  宮崎二健
年玉やさんざん生きてきた少女  宮崎斗士
太陽が透明になるお正月  宮本佳世乃
手枕の父や紅白歌合戦  村上鞆彦
交番よりはみ出してゐる獅子頭  村上瑪論
谷川の水の明るき雑煮かな  村越敦
初明り飴玉みたいな母おわす  室田洋子
元日の女提げたる二眼レフ  山口東人
元日も営業セレモニーホール  山田露結
知らぬ子と独楽ぶつけ合ふ遊びかな  山崎志夏生
初空や耳朶厚き山下家  山下つばさ
お正月つて少しずらした玉手箱  雪うさぎ
まんなかに海老の死したるお節かな  雪我狂流
初湯より上りしこゑの濡れてをり  吉田悦花
雲踏むか去年今年の真ん中辺  吉野秀彦
大空の根源知れり初飛行  四ッ谷 龍
汚れても月のにほひの鳥総松  狼耳
ゆづりは落ちて抱いてゐる犬うごく  渡戸 舫

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