後記 ● 村田 篠
偶然ですが、今週の小池康生さんと上田信治さんの記事は、どちらも「マンガ」の話題から始まっています。「マンガ」は、今や無視することのできないメディアとして、小説や映画等と比較して語られることが多いのですが、俳句とマンガの相関もなかなかのものだと、最近思うようになりました。
俳句とマンガは、差し出される情報が読者に入ってゆくときの「スピード」が似ているのではないか、という気がします。わりあい複雑なことを、一目で見渡すことができるような構造といいましょうか。
即時に入ってくる情報と、じわじわと効いてくる情報が同時に含まれている緩急の面白さが、どちらにもあります。
話はどんどん逸れますが、ある男性と話しているとき、少女マンガを読むのには技術がいる、といわれたことがあります。コマの作り方が少年マンガとは違うので、コマを追う順番がよく分からない、と。
ということは、少年マンガを読み慣れない人間が少年マンガを読むときにも、技術がいる、ということでしょうか。
その感想もまた、俳句をしない人から聞いたことがある「俳句」に対する印象と、少し似ているような気がして、思わず考えてしまいました。
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それではまた、次の日曜日にお会いしましょ う。
no.161/2010-5-23 profile
■榎本 享 えのもと・みち
兵庫県生まれ。「青」にて波多野爽波に学ぶ。「青」終刊後は 「文」に所属。「文」終刊後、季刊同人誌「なんぢや」創刊・代表。句集『明石』『鬼の子』『抽斗』。共著『なはとびに』(鑑賞・西野文代の俳句)。
■渡辺誠一郎 わたなべ・せいいちろう
昭和25 年、宮城県塩竈市生まれ。
平成元年、佐藤鬼房に師事。
平成6年、 句集『潜水艦』(銀蛾舎)刊行。
平成8年、句集『余白の轍』(銀蛾舎)刊行、第1回小熊座賞受賞。
平成10年 第3回スウェーデン賞受賞。
平成13年、共著『現代俳句100人20句』(邑書林)所収。
平成16年、句集『数えてむらさきに』(銀蛾舎)刊行、宮城県芸術選奨受賞。
現代俳句協会員。現在、「小熊座」編集長。
■猫髭 ねこひげ
「きっこのハイヒー ル」所属。サイト「三畳の猫髭」
■野口 裕 の ぐち・ゆたか
1952 年兵庫県尼崎市生まれ。二人誌「五七五定型」(小池正博・野口裕)は4月10日に第四号を発行。入手希望の方は、yutakanoguti@mail.goo.ne.jp ま で。進呈します。 サイト「野口家 の ホーム ページ」
■堀本 吟 ほりもと・ぎん
1942 年、犬山市生まれ、松山市育ち、生駒市在住。俳歴20年ほど。「船団」を経て「豈」所属。1970-80年代の俳句ニューウエーブの群像にまき込まれるよ うに短詩形文学の場に入る。この世代からの影響は大きい。現在の新世代も全く異ジャンル、新鮮である。ここ4、5年は川柳と俳句の接点の表情をみることに 腐心した。そこからすこし進んで、現代詩の根拠に定型の問題を措きたいと考えている。著書、評論集『霧くらげ何処へ』(深夜叢書社)。
■小池康生 こいけ・やすお
大阪出身大阪在住。 「銀化」新人賞受賞。「銀化」同人。俳人協会会員。
■上田信治 うえだ・しんじ
1961 年生れ。「ハイクマシーン」「里」「豆の木」で俳句活動。ブログ「胃のかたち」
■山口優夢 やまぐち・ゆうむ
1985 年、東京生まれ。東京大学大学院博士課程1年。東大・早稲田など東京の学生俳句サークルやTHCの句会などに参加。第六回俳句甲子園団体優勝・個人最優秀賞。第二回龍谷大学青春俳句大賞大学生部門最優秀賞。第四回鬼貫青春俳句大賞優秀賞。好きな惑星は火星。ブログ「そらはなないろ」
■村田 篠 むらた・しの
1958年、兵庫県生 まれ。2002年、俳句を始める。現在「月天」「塵風」「百句会」会員。俳人協会会員。「Belle Epoque」
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2010-05-23
後記+プロフィール161
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