2010-08-15

10句作品テキスト 小豆澤裕子 踏ん張る

 踏ん張る   小豆澤裕子

消印の赤き八月六日かな
灯台の踏ん張つてゐる夏の果
饒舌な鳥と寡黙に星祭る
手花火で聞き出すそこの所かな
マンションが日蔭をつくる墓参
薄荷飴探り出したる生身魂
終戦日巻き戻されてゆくビデオ
西瓜真つぷたつ核心には触れず
あちらにも言ひ分のある残暑かな
折悪しく留守にしてゐて法師蝉


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