2010-10-31

商店街放浪記40 大阪 天満市場周辺 3

商店街放浪記40
大阪 天満市場周辺 Ⅲ

小池康生


天神橋商店街の実力は、日本一長いアーケードの商店街というだけではなく、その商店街から蛸足のように伸びる路地の多彩さにある。

メインの商店街から、路地、路地裏、裏通りと“商店街”が増殖する。
表通りは人が集まりやすいが、路地の奥は人を引き寄せるためには、独自の工夫や雰囲気が必要となるし、値段にも驚きが要る。だから路地裏には面白い店が潜んでいる可能性が高い。

それに、迷子になりそうな入り組んだ路地というのは、ささやかな冒険心をくすぐる

日本一長い商店街の南側の端と、もう一方の北の端は全然雰囲気が違うので、面白い。

南側のエリアには天満宮があり、この商店街の中心点。
夏には御存知日本三大祭り<天神祭>が執り行われ100万人もの人間を集める。
俳句に関係した行事で言うと、1月に<鷽替え>の行事が行われるし、最近は、上方落語の定席<繁昌亭>が境内の裏手に作られ、これがまた“名所”になっている。

それに対して、天満市場のある北側エリア。
天神橋筋の5丁目から6丁目あたりに、市場の関係者や、逞しい系の男たちの集まる祭りの夜のような場所が出来上がっている。飾り気がないが高揚感のある一画を作りだしているのである。 

北の端っこも、南の端っこも一本の商店街から広がり、エリアとして盛り上がっているところが面白い。

界隈を、路地裏荒縄会の赤レンガさん、筆ペンさん、九条DXさんとうろうろする。ぷらら天満市場からその北側の従来の天満市場辺り・・・。
夜なので、閉まっている店も多いが、食材を売る店だけでなく飲食店があり、それがアジアンな感じなのだ。きっと歯抜けしていったお店を若者が借り上げ、金のかからぬ内装でかっこいいお店に仕立ててある。

いつもはうろうろしながら、皆で相談して見知らぬ店に突撃するのだが、今回は予習をした。
調べたくなる何かが、この町にあるのだ。
ネット検索をした。いつものことだが、最初の検索では手ごたえがない。
時間を置いて二度目の検索を始めると徐々に手ごたえのあるところが見つかる。
なぜかネットでの調べ物はいつもそうだ。

ネットでも、いい店だと匂うのだ。
次から次に気になる店が現れる。それだけ飲食店の充実した地域ということだ。
地図を打ち出し、その地図に20軒ほど目ぼしい店を書きこんだ。
ひとつのエリアで、こんなに書き込むのははじめてである。

この地図を前回書いたたこ焼き屋のお兄さんに見せたのだ。
そして、お墨付きをいただいた。
「どこも間違いがないですよ」

路地裏荒縄会皆でこの地図をもとに界隈をうろうろする。
赤れんがさんは写真を盛んに撮っている。
銭湯の外観、市場の看板、ホルモン屋の電飾など・・・・。

みなさん、お腹も減っているようだ。
まずは、たこ焼き屋のマスターに教えられた立ち飲み屋『泰三屋』に行く。

立ち飲み屋だが、人数を言うと、奥のテーブルに案内され、座ることができた。
魚が旨いし、驚くほど安い。
ひとり1000円のセットで結構な品物数のセットがでてくる。
合流する仲間を待つにはちょうどいい。
入店した時はすいていたが、瞬く間に満席になる。
女性客も多い。まぐろを中心に魚料理などが手ごろである。

赤れんがさんが言う。
「女性店員さんの愛想がとてもいい」
女性にこう言われるのは相当に高い評価だ。造りや握り鮨が出てくる。これで1000円か・・・・。

飲んでいる間にマルイチさんが合流。会計。ひとり2000円もいかなかったか。

さて、次はどこに行くか。
「デルタ」「luv wine」「上海食亭」「八尾蒲鉾」「墨国回転鳥料理」「鰻の天五屋」「HIROTA」「葡萄酒場 裏HIPOYA」「ダイワ食堂」「神戸マッスルホルモン」・・・どこにしようか。

歩いていると、四つ角の一角に、ホルモンとドテ焼の店「権兵衛」というものが目に入る。鍋が一つ置いてあるだけの小さなスペース。
そこに男たちが群がり、鍋の淵で飲んでいる。極限の立ち呑みである。
道を歩きながらも目撃したこの光景は、よそ者が立ち入れない雰囲気があった。
『通(つう)やなぁ・・・』
この辺り、多種多彩な飲み方があるようだ。

結局、わたしたちは、「ほんまや」という店に入った。
“南勝浦漁協食品町営店舗”とある。ここも相当に安くて旨かった。
ひとり二千円もしなかった。

三軒目は、ショットバー。
ショットバーでありながら、表でお好み焼を焼いている。
それを店内で食べられるわけである、
お好み焼を二枚注文し、それを分け合いながら、ソーダ割りやカクテルを飲む。オツなものである。テイクアウトの客も来る。

ショット―バ―でお好み焼、いかにも大阪である。
この店は、最初に集合したJR天満駅のすぐ北の路地、赤レンガの壁の前である。
屋号が書けない。後の昼間、この前を通ったのだが、屋号がない・・・。
宿題である。

結局、ペーパーさんは仕事の都合で参加できず。
それにしても、どの店も安くて旨くて独自の雰囲気があった。
大阪にはキタとミナミがある。
ミナミが難波。キタが梅田。梅田から歩いていけるし、環状線でもひと駅なのがこの<天満>。梅田の人混みが苦手で、ラテン系な大阪の賑わいを楽しみたい人にはお薦めの町だ。メンバー各自、後日、裏を返しているようだ。

秋の夜もそぞろに雲の光りかな  暁台

(以上)

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